近くのおじさんに徳島行きのバス停を訪ね、バス停まで案内する。
バス停での別れ際、君はいいガイドだった。旅が終わったら連絡してくれと名刺を渡された。
ガイドじゃないんですが。
別れを言い、すこし遠回りした6番札所安楽寺へ向かう。
話し相手のない道中は疲れと荷物の重さもあり、ほとんど下を向いて歩いた。
安楽寺の味気のない鉄筋コンクリートの本堂にお参りをすませる頃にはあたりは薄暗くなっていて、早急に寝床を探す必要に迫られた。
iphoneの地図でテントが張れそうな場所を探すと、少し行ったところに熊野神社があるのを見つけた。
広い境内だが、野宿なので奥の目立たないところにテントを張った。
のはいいが、緑色の蛍光色のテントで、ものすごく目立つ。
張り終えた頃にはすっかり暗くなってヘッドライトを使わないと、何がなんなのかわからない様な状態となった。
頼みの水も元が止められているらしくでなかった。
めんどくささと、疲れですっかり意気消沈した僕は寝る事にした。
持ってきたウイスキーを少し飲みながらナッツを食べた。
寝付くのは早かったが、夜は何度も起きた。
真夜中の風の音が妄想を膨らませ、頭の真上では梟が一晩中鳴いていた。
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| どこに立てても目立つ蛍光色のテント |
